海外で生活する際、どこまでの荷物を持っていくべきかというのは難しいテーマだ。たいていの物は現地で手に入ると分かってはいても、炊飯器やウォシュレット(温水洗浄機)といった電化製品から、醤油や味噌といった食べ物、魔法瓶や三色ボールペンのような便利グッズなどなど、海外で手に入るのかわからない日本独自のアイテムは多い。
実際に日本を離れて海外で生活する現地在住者が、日本から持っていくべきものをアドバイスする。海外移住・留学を予定している人は是非参考にして欲しい。
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【アメリカ】使ってビックリ!渡米時には歯ブラシと薬を忘れずに
(現地在住ライター 長谷川サツキ)ひと昔とは違い、アメリカでも日本製品がずいぶんと手に入りやすくなった。大抵の生活用品は一通り揃うのでさほど心配する必要はない。しかしそのことを踏まえた上で「これがあったら便利!」と感じたものを2つほど挙げてみたい。
まずは歯ブラシ。アメリカの歯ブラシはとにかく大きい。見た目もさることながら口に入れた感覚はまるでたわしを突っ込んだかのようで、細かい所が磨けずすっきりしないという日本人は多い。かさばるものではないので、スーツケースの隙間にでも何本か入れて持ち込むことをおすすめする。
そしてもうひとつが薬だ。アメリカは薬の種類が豊富だが、日本の薬に比べて効き目が強いものが多い。効き目が強いということは、薬の副作用も強く出やすいということ。これは薬の量が大柄なアメリカ人に合わせてが調合されているためだ。
さらに複数の成分からなる総合薬がメインの日本に比べ、アメリカは1つもしくは2つ程度の成分で構成された薬が多い。風邪の時などは熱があればコレ、鼻水が出るならコレ、といくつもの薬を自分で組み合わせて使う。日本とは使用感が異なるため、いざという時に慌てることのないよう日本の常備薬を一緒に持っていくと安心だ。
【フランス】快適さや気の利いた機能性はやはり日本発のもの
(現地在住ライター 竹内真里)
筆者が日本から持参して重宝しているもの第1位は、布団乾燥機だ。地域や住まいにもよるかもしれないが、これまで住んだマルセイユとパリではたとえベランダや広い庭があっても、たいがいの現地の人は室内か、他人から目のつかない場所に洗濯物を干している。現在居住しているアパルトマンにもベランダがあるが、管理人から景観上、洗濯物類は干さないようにと入居時に注意があった。
そこで外に干せないならばせめて同じような感覚を味わいたい、ということでダニ対策もできる布団乾燥機を持参したのだが大正解。マットレスはさっぱり、敷き布団はふかふか、掛け布団はふわふわになるし、生乾きの洗濯物もパリッとする。高温多湿の香港在住時も非常に役に立った。お日様の元で干したいけれど干せない環境が耐え難い、という筆者のような方には持参を勧める。
次に洗ってくり返し使える便座シート。ウォシュレットや暖房便座など高機能のトイレはこちらではまだ普及していない。これらを取り付ける予算がなくても便座シートがあると、特に寒い冬には持ってきてよかったと痛感する。
タイマー予約やいろいろな機能が付いている炊飯器もあると便利だが、炊くだけのシンプルなものでよければ現地でも手に入る。洗濯ネットは見かけないので、大小数枚持参するとよい。
文具は好みがあるだろうが、個人的に日本の方が何かと種類やデザインが豊富で、ペンなどは書き味が滑らかな気がする。魔法瓶や水筒はこちらのはゴツい、重い、洗いづらいデザインが多いので、日本から持ってくるとよい。
日本食はパリでは不自由しないだろう。あとは飲み慣れている日本の薬があると安心だ。
最後におまけでサランラップも付け加えたい。気が長い性格ならばわざわざ持参する必要もないかもしれないが、こちらのサランラップはよくこれが商品として市場に出回っているなあと思うほどの使いにくさだ。無駄なイライラを避けたい方は是非持参を!
【イギリス】電圧、気候の違いは意外に大きい
(現地在住ライター 竹内奈緒美)私が渡英の際に持参して良かった物は以下の通りだ。
・変圧器(トランス)と変換プラグ
イギリスの電圧は220-240Vで、コンセントプラグ差込口の形状も違うため、日本製ゲーム機など日本の電化製品を使用する場合には必須。
・炊飯器
現地でも炊飯器を手に入れることはできるが、日本製の炊飯器は少々味が落ちる米でも美味しく炊ける。
・化粧品
乾燥肌や敏感肌の人は愛用の化粧品をを数か月分持って行った方が良い。
・スポーツドリンクの粉末パック
体調不良時の水分補給用。イギリスのスポーツドリンクは色も味もきつく、病人の水分補給には不向き。
・国際免許証
渡英前に日本で申請して取得しておく。日本の免許証があればイギリスの免許証を無試験で取得できるが、イギリスの免許証が届くまでの間、運転する場合に必須。有効期限は1年。
変圧器以外は、イギリスでも似たようなものが入手可能だが、送料や税金などで高額になるため、なるべく渡英前に準備できると良いだろう。