2017年3月6日(火)-22日(水)の日程で第四回WBC(ワールドベースボールクラシック)が開催される。第一回大会、第二回大会と連覇した日本における注目度は抜群だ。
海外でもWBCの注目度は高いのか?参加国でもある、アメリカ、台湾、韓国の現地在住ライターがリポートする。
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【アメリカ】大会主催国なのに!? 悲しいほど知名度の低いWBC
(現地在住ライター 長谷川サツキ)スポーツ観戦が大人気のアメリカにおいて、野球は常にホットなトピックだ。それならば国際大会で、しかもアメリカのメジャーリーグが立ち上げたWBCならさぞかし盛り上がるに違いない!おもいきや…。アメリカ国内では悲しい程注目度の低い大会なのだ。
そもそもアメリカ人はスポーツ観戦が大好物とはいえ、その対象はほぼ国内試合に限られる。国際試合最高峰のオリンピックですら、テレビで放映はされるものの日本の盛り上がりと比べれば雲泥の差だ。アメリカ人が熱狂するのは国内の大学リーグにプロリーグ。メディアも年間を通してシーズン中のスポーツを追いかけているので、歴史の浅いWBCなどに目を向ける人はほとんどいない。
さらに日本は、世界各国が競い合うWBCは世界一を決める国際大会であると認識しているが、アメリカは国内のワールドシリーズこそが世界一を決める試合だと考えている。だからこそWBCに価値を見出せず、WBC第4回目目前であっても「そんな大会初めて聞いた」と言ってのけるアメリカ人が後をたたないのである。
【台湾】野球熱は高いが、スター選手の不参加で冷め気味
(現地在住ライター 山田純)
台湾は野球熱の高い国だ。メジャーリーグファン、日本のプロ野球ファンもかなり多くいる。そして台湾国内のプロ野球も人気で、球場に足を運ぶ人も多い。そんなわけでWBCに注目する台湾人も当然多くなるわけだが、初開催から比べると回を重ねる毎に人気が衰えているように感じられる。
台湾で人気が高くメジャーリーガーとして活躍した王建民(ワン・チェンミン)や現在もメジャーのマーリンズで活躍中の陳偉殷(チェン・ウェイン)の不参加で野球ファンではない一般国民の熱が冷めてしまった。そしてメンバーリスト入りしていた巨人の陽岱鋼(ヤン・ダイガン)も辞退を発表し、多くの野球ファンの熱も冷めてしまったようだ。
しかし、陽岱鋼の代役として選ばれた陽選手と同じ台湾アミ族出身の羅国龍(ルオ・グオロン)選手に注目が集まっているというニュースもある。日本のプロ野球で活躍する選手や国内リーグで好成績を収める選手もメンバーリストに名を連ねている。今大会でいい成績を残せることがあればまたWBC人気も復活するのではないだろうか。
【韓国】WBCの注目度は日本同様に高い
(現地在住ライター キム・ヒョンジ)韓国では1982年にプロ野球、1983年にプロサッカー、1997年にプロバスケットボールリーグ、2005年にはプロバレーボールリーグが発足している。これにゴルフを含めて「国内5大スポーツ」とされているが、中でもプロ野球の人気は高い。
プロ野球発足当時はレベルも低かったが、今では大リーグに選手を送り出すまでになった。過去のWBCにおいても、ベスト4、準優勝と好成績を残しており、世界に通用するレベルにまで成長した。そして、今大会では初めて韓国で1次リーグが開催される事もあり、優勝を望むファンも多く注目度は高い。
しかし、代表選手選定にあたり大リーグ所属の選手の辞退や、国内組でも主力選手の故障などで、前回大会よりもチーム力が劣るのではないかと言う声も有る。