物価が安いという理由でタイに旅行に行ったり、移住したりする人は多い。確かに現地の食堂や屋台等でご飯を食べるならば安くつくのは間違いないが、日本での生活水準を落としてまでタイに行きたい人ばかりではないだろう。そこで、タイ在住の日本人ライターが中間的な生活費のモデルケースを示した上で、タイの物価情報をリポートする。
タイでの生活費は、自分の生活レベル次第
(現地在住ライター 村岸伝造)項目 | 支出額 | コメント |
---|---|---|
家賃 | 20,000円 | ローカルアパートから、駐在員用高級マンションまで幅広い。 |
食費 | 30,000円 | ローカル食堂から、和食料亭まで幅広い。 |
光熱費 | 3,000円 | 電化製品をどれだけ使っているかによる。 |
交通費 | 3,000円 | バス・タクシーのみ利用か、自家用車かによる。 |
その他 | 20,000円 | タイはナイトライフが充実しているため、夜遊びにハマると、生活費はさらに跳ね上がる。 |
合計 | 76,000円 | 最低限の生活の場合はこの半分。日本並みの生活なら、この倍以上。 |
タイをはじめとする発展途上国に共通する特徴は、「貧富の差が激しいこと」だ。田舎の貧困層が家族全員で1ヶ月に消費する額を、都会の富裕層の学生は、わずか数日で使い切ってしまうこともザラである。そのため、「タイでの生活費」と一口に言っても、そのスタイルは一様ではない。
たとえば、タイのローカル食堂であれば、一食200円もあれば十分だが、ある程度凝った日本食を食べようと思ったら、2000円以上はかかる。その差はじつに10倍である。また、家賃にしても、地方都市の学生用アパートであれば、家具にホットシャワーがついて、家賃1万円ぐらいから借りられるが、首都バンコクならばその倍、外国人駐在員用なら、さらにその数倍である。また、タイではバスやタクシーが安いが、ガソリン代はリッター110円ほど(2016年10月現在)なので、タイで自家用車で移動する人は、ガソリン代が日本並みにかかることになる。
なお、上記表のその他の項目は夜遊びなどの交際費である。これも、一切飲まない、遊ばない、という人ならゼロで済むが、ハマってしまうと、夜遊びだけで月に数万円が飛んでいってしまう。
ちなみに私は、タイの地方都市の、更に郊外で生活しているので、家族6人で月5万円ほどであるが、これはタイ国内で見てもかなり低額の部類に入る。とにかく生活費がピンキリであるため、上記の表では、目安としてちょうど中間ぐらいの額を記載した。ざっくり月8万円ほど。「日本の約半分」と思っておけば、タイではおおむね平均的な生活ができるはずである。
以上、タイでの生活費を駆け足で紹介してきたが、要は、自分の生活レベル次第ということである。タイへの移住の際は、「自分はタイのどこでどういう生活をしたいのか」を、あらかじめ想定しておく必要がある。