(現地在住ライター キム・ヒョンジ)
「韓国の料理で知っている物は?」と聞かれて、以前で有ればキムチ、焼肉ぐらいしか思い浮かぶ物は無かった。しかし、最近は韓流ブームの影響で、日本でも沢山の韓国料理が食べられるようになり、様々な料理の名前が出てくることだろう。しかし、未だに現地に行かなくては味わう事のできない仰天料理が有るのだ。
目次
ポンデギ(蚕の蛹の炒り煮)
まずは、小手調べに昆虫食だ。昆虫食は日本にも有る食文化でもある。これは、ポンデギと呼ばれるもので、蚕のサナギを炒り煮にしたものだ。昔は、道端で大きな鉄鍋一杯にポンデギを炒り煮しながら売っている姿を数十メートルおきに見るほど、あちらこちらで売られていた。今でも、伝統的な市場に行くと、昔と同じように売っている。見た目は、2センチメートル位のこげ茶色。よく見ると、蚕が成虫に成る前の姿がはっきりと見える。これを、スナック菓子感覚で食べるのだ。スーパー等で缶詰にして売ってもいる、韓国では極めて普通の食べ物だ。
ユムシ(ミミズの一種)の刺身
2番目に紹介するゲテモノ料理のは、一見食べれるとは思えない姿をしている。どこで見ることができるかと言うと、刺身専門店の水槽だ。グニュグニュとうごめいている姿は、太くて大きいミミズだ。色もミミズに似ていて、体長15から20センチメートル位だ。このミミズの大きいのは、ケブル(犬のちんちん)と呼ばれるもので、西側の海で良く獲れ、主に刺身にして食べる。これをさばく時、もがくように動き、真っ赤な体液が出るのも、不気味さを増す一因だ。味は貝に似ていて、一度食べると又食べたくなる味だと言われている。このケブルも、韓国では普通に食されている物だ。
ヌタウナギ焼き
ゲテモノ料理3番目は、少し強烈だ。その料理は、釜山方面で良く食べられているコムジャンオ・ポックンだ。日本語にすると、ヌタウナギ焼きとなる。このヌタウナギだが、一見アナゴやウナギと似ているが魚の種類では無い。良く見ると、目が退化して無く、口の形が映画のエイリアンにそっくりなので、極めて不気味な姿をしている。強烈なのが、調理方法だ。まずは、生きたまま皮を剥ぎ取り、頭と内臓を取り除く。そして、ヌードピンクになったヌタウナギを、網や鉄板で焼くのだが、その上でヌタウナギが、のたうち回るのである。味付けは、コチュジャンベースの辛い味付けで食べる。あまり趣向が良い料理とは言えないが、滋養食として人気が有る料理だ。
エイの刺身
(egg (Hong, Yun Seon))そして、最後ゲテモノ料理4番目は、アジア最強の臭い食べ物だ。知っている方もいると思うが、ホンゴォフェと言いうエイの刺身だ。ガンギエイを壺等に入れて3日-7日程度(季節によって変わる)発酵させた物だ。エイを発酵させて食べるのは、韓国南西部の木浦(モッポ)地域独特の調理方法だ。サメやエイが、死ぬと自身からアンモニアを分泌するのは良く知られているが、それを発酵させるのだから、どれだけアンモニア臭がするのか想像を絶する。臭さのレベルでは、有名なシュールストレミングに次ぐ臭さで、アジアでは敵なしの臭さだ。食卓に上がるだけで、その部屋がトイレかと思うぐらいの匂いがする。また、口の中に入れると、鼻に抜けるアンモニア臭で涙が止まらないと言う。しかし、他の地域では、発酵などさせずに新鮮なうちに刺身や、蒸し料理、鍋料理など多様な調理方法で食べられている。エイは、韓国の西側から南側にかけて水揚げされ、高級食材に分類される。地域によっては、結婚式やお祝い事で良く出される料理の一つだ。
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