ペット保険のアニコム損保によると、日本で最も人気のある犬種はフランスを原産とするトイプードルで、2位がメキシコ原産のチワワ、そして3位がミックス犬で、4位に日本原産の柴犬、その後は29位まで欧米やアジア原産の犬が続き、30位にようやく日本スピッツが登場する。ペットフード協会によると、日本には991万7千匹の犬がいるとのことだが、そのほとんどが海外を原産地としていることがわかる。
海外ではどこの国の犬が人気なのだろうか。日本では、プーチン大統領が日本から贈られた秋田犬と戯れる様子が報道され、リチャード・ギア主演の「HACHI 約束の犬」が海外でヒットしたと伝わっているが、海外で日本犬の知名度・人気はあるのか。海外現地在住ライターがリポートする。
目次
【アメリカ】大型犬が人気のアメリカ 日本犬種としては柴犬が有名
(現地在住ライター 長谷川サツキ)日本の人気犬種ランキングでは毎年小型犬が上位を独占しているが、アメリカでは大型犬が安定した人気を誇っている。2016年の人気犬種トップ3は、ラブラドールレトリバー、ジャーマンシェパード、ゴールデンレトリバーとどれも大型犬。中でも1位のラブラドールは長年トップを走り続けている超人気犬種だ。穏やかで賢く、特に子供のいる家庭に最適だといわれている。
一方でアメリカで最も知られている日本犬は柴犬だろう。アメリカでは犬は大抵誰にでもフレンドリーというイメージが定着している。ところが柴犬は違う。自分で主人を選び、主人にのみ忠実といわれる犬種だ。それがアメリカ人とっては新鮮で、かつ「サムライのみたいでかっこいい!」と注目を浴びることになった。しかも柴犬は表情豊かで見た目が愛らしいので、そのギャップもたまらないんだとか。事実、ここ数年で柴犬を連れているアメリカ人を見かける頻度はずいぶん上がった。
人気犬種ランキングではまだ圏外といったところだが、アメリカにおける柴犬の知名度は上々。今後ランキングもアップしていく可能性大だ。
【ドイツ】体の大きな忠犬、ドイツ人にピッタリ?
(現地在住ライター KANAKO K)
日本から離れた遠い土地で出会う日本犬、特に秋田犬や柴犬など背中にかかるベージュから徐々に白色になる毛色とクルッとドーナッツのように巻いた尻尾を見れば、誰しも底知れぬ親近感と懐かしさを感じてしまうのではないだろうか。
筆者も同様、居住地ベルリンやドイツ国内の旅行先で見かけると思わず8割日本犬だと確信しながらも飼い主に犬種を確かめてしまうのだ。ただこれまで見た日本犬は体の大きな秋田犬がほとんどだ。ベルリン市内で見かけた時は体格のいいドイツ人中高年につれられた二匹の秋田犬で、どこかバランスのいい飼い主と忠犬ペアにも感じられた。飼い主によれば、賢いし、おとなしいが力はあるといった犬なのだそう。
以前、ドイツ人を含む海外の友人の間で忠犬ハチ公を元に作られた映画「HACHI 約束の犬」の話題が上がった。日本人である筆者に本当の物語で間違いないのか、忠犬ハチ公の像が本当にあるのかなど、秋田犬の忠実さとハチ公の物語に感動し胸を打たれた様子だった。
映画を見た人にも、とあるきっかけで飼い始めたドイツ人にも、きっと秋田犬は忠実で賢い犬として認知されているのではないだろうか。どこか真面目で犬好きな人の多いドイツ人と、飼い主に忠実な秋田犬のコンビはとっても相性が良いのかもしれない。
【イギリス】柴犬の人気は高くなっているが数は少ない
(現地在住ライター バックリー佳菜子)筆者の住むイギリスではイギリスを始めヨーロッパ諸国原産の犬が人気があり一般的になっている。日本ほど小型犬の人気は高くないようで、フレンチブルドッグやコッカースパニエルなど中型の犬とラブラドールレトリバーやブルテリアなど大型犬を複数飼っている家庭も多い。また英国エリザベス女王が飼っているためコーギーも未だ人気があるようだ。
アジア産の犬だとシーズーが一番メジャーである。ただ近年はSNSでの人気などから日本犬、特に柴犬の人気も高まってきている。しかしながらまだイギリス国内で柴犬のブリーダーがあまり多くないことや、柴犬は気難しい性格の犬が多く初心者には買いにくいというイメージが付いており、まだまだ一般的とまではいかないようだ。
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