香港といえば世界でもトップクラスの先進都市だ。香港の2015年の一人当たりGDPは42,422ドルとなっており、日本の32,485ドルよりも高い。中国の地域のひとつという印象を持っている人もいるかもしれないが、香港は、世界中から優秀な人材が職を求めて集まる国際都市だ。
香港で就職するためには、言語や職歴といったビジネススキルに加え、ビザを取得するための所得や学歴が必要になったりと、超えなくてはいけない壁が多い。そこで、実際に香港で働く日本人ライターが、香港で就職する方法をリポートする。
目次
親日家の中国圏・香港での就職に求められる事
(現地在住ライター 小熊まき)●香港で働く日本人
日本から飛行機でわずか4-5時間で行ける香港。1997年に正式に中国に返還され、中国圏であり歴史的に日本との軋轢がありながらも、親日家の割合が高い。街中のコンビニやスーパーでも普通に日本の製品を入手することができ、治安も非常に良く、日本人にとってとても住みやすい国の一つでもある。
それゆえ日本からの駐在員の数もさることながら、現地で就職する日本人現地採用者の数もとても多い。
●香港での仕事の見つけ方
一例として、香港最大の航空会社「キャセイドラゴン航空(旧キャセイパシフィック航空)」の日本人就労者の場合は、日本で英語力や適応力などの総合的な採用面接を受けて合格した時点で来港し、現地で研修を受け実際に勤務を始めるという流れを取る。採用基準に香港の公用語である広東語は必要なく、研修も業務も全て英語で行い、仕事を始めてから、第二外国語などのスキルを身に付けていく事ができる。
しかしながら、一般企業への現地採用の場合は流れが異なる。まずは3ヶ月有効の観光ビザで来港。現地にある人材派遣会社に登録するか、ローカル紙や日本人向けのフリーペーパーなどのクラシファイド(求職)ページから仕事を探しアプローチをかけていくのが、もっとも基本的な流れだ。
何かと勝手が違う香港での就職活動には、まず日系の人材派遣会社に登録し派遣会社のスタッフと相談して自分の適性やある程度の手ごたえをつかんでから、外資系人材派遣会社や求人広告から直接アプローチをかける方が無難である。
では実際に現地の人材派遣会社に登録してからどんな手順を踏むのだろう。
まず、希望する人材派遣会社に電話やメールでアポイントを取ってから、履歴書を持参して派遣会社を訪れる。派遣会社では、各派遣会社専用の履歴書にその場で再度履歴やセールスポイントなどを記入する場合もある。場合によっては資格証明などの提出も求められるので、資格証明書も一緒に持参する方が良い。
●香港で働く際の言語
香港で現地採用として働くためには最低限一言語(英語または北京語、広東語)を話せることが重要だ。香港の公用語は広東語。とはいえイギリス統治時代の名残りもあり、ビジネスではまだまだ英語が主流である。オフィスのパソコンも英語のOSが導入されている事が多い。しかしながらこれらの言語を一言語話せるという事はあくまでも、必要最低限の条件にすぎない。
就労ビザを申請する際のポイントは「わざわざその人物を雇う価値があるかどうか」という所にある。厳しい言い方をしてしまうと、日本語を話せる香港人や中国人は山ほどいる。その中で香港人の雇用枠を削ってまで、その人物を雇う価値がなければ、就職する企業が決まったとしても就労ビザが降りず、香港で働く事をあきらめなくてはいけないという事態が起こりうる事も念頭に置いた方が良い。
そういった点を踏まえて、香港で仕事を探すには、最低英語か中国語(北京語または広東語)でコミュニケーションを取れる事に加えて、さらにもう一言語、または会計、営業や特殊技能など自分をしっかりと表現できるセールスポイントがある事が望ましい。
香港は狭い地域に、日系企業やグローバル企業がひしめいている。チャレンジ次第では、グローバルな有名企業へ就職できる可能性も日本よりずっと高いので、ぜひがんばってみてほしい。
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(HowTravel編集部)
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