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イギリスの花火大会と言えばガイフォークスデイ
（現地在住ライター バックリー佳菜子）日本では花火というと夏の風物詩と言われているかと思う。しかし筆者の住むイギリスでは花火というと、11月5日はガイフォークスデイ（またはガイフォークスナイト、ボンファイヤーナイトとも呼ばれる）に行われるもので、冬のイベントという印象がある。そこで今回はこのガイフォークスデイについて紹介したい。
ガイフォークスデイの歴史
イングランド国教会が優遇され、カトリック教徒は弾圧されていた17世紀初頭、ガイフォークスと仲間のカトリック教徒が上院議場を大量の火薬を使って爆破し、国王ジェームズ1世と議員たちを殺害する計画を立てていた。しかし開会式の行われる1605年11月5日、爆破を実行に移す寸前でその計画が発覚し、逮捕、その後首謀者達はロンドン塔に送られ処刑された。
その翌年、政府は11月5日を「命が救われた事に感謝する日」という祝日に設定したことから、ガイフォークスデイを祝う習慣が始まったと考えられている。またこの事件で火薬が使われたことから現在のガイフォークスデイは花火を打ち上げる日となったのである。
ガイフォークスデイ当日の現地の様子
では、現地では実際にどのように祝うかを紹介したい。まずは10月中旬頃から各スーパーなどで花火が販売され始める。ちなみにイギリスでは基本的に花火の販売は禁止でガイフォークスデイだけ例外であり、また18歳以下は購入できない。よって基本的に、イギリスで手持ち花火などを個人的に楽しめるのはこの時期だけである。残念ながら花火の騒音などで周辺住民トラブルになることも多いため、個人で花火をするのはあまりお薦めできない。
手持ち花火以外では、ガイフォークスデイ当日に各地で大きな花火大会が行われる。筆者はロンドンに住んでいた頃よくロンドン南部ブリックストンのブロックウェルパークで行われる花火大会を見に行った。ここでは花火が始まる前から公園全体に出店やメリーゴーランドなどが出ているためお祭りのような雰囲気が楽しめる。家族連れも多くにぎわっていた。しかしロンドンの11月の夜はかなり冷え込むため、みな分厚いコートを着込んでの花火鑑賞となる。花火が上がるのは45分ほどだが、住宅が立ち並ぶ地域にしてはかなり大きな打ち上げ花火があがるため、大満足なイベントである。
ロンドンでは当日複数の公園で打ち上げ花火が行われるので、行きやすい会場を選んで鑑賞できるのは便利である。ただ日本の花火大会とは違い、イギリスの花火大会は歩道と座る場所が整備されているわけではなく、基本的に好きな場所で立ったまま花火を見たり、シートを持って行って好きな場所の芝生に座って見たりするのだが、周りが暗く足元が見えにくいことが多い。また足元がぬかるんでいることもあるので汚れてもよく温かい服装ででかけ、懐中電灯などを持っていくことをお薦めする。
ガイフォークスデイの会場
（HowTravel編集部）
(Steve Allen / Shutterstock.com)現地在住者からのリポートにある通り、ガイフォークスデイの当日はロンドンのあちこちでイベントが催されている。ただ、旅行者としては夜の見知らぬ街を出歩くのはなかなか恐い。そこで、ガイフォークスデイを満喫する上でお勧めの会場を幾つかご紹介する。特に、ロンドン中心部に近い会場をピックアップした。なお、日本の花火大会と違って、ガイフォークスデイは有料のものが多い。チケットの事前購入が求められるケースもあるため、注意が必要だ。なお、現地在住ライターのリポートにあるブロックウェルパークの花火大会は、予算削減の影響で2015年開催が中止となっており、2016年開催は未定のため、ここではご紹介しない。
※情報は全て2016年のガイフォークスデイのもの
●ブラックヒース（Blackheath Fireworks)
■開催時間: 11月5日12:00からイベント開始、17:00からバーオープン、20:00から花火打ち上げ
■費用: 無料
■会場: グリニッジ天文台のあるグリニッジ公園の南
●ラウンドウッドパーク（Roundwood Park)
■開催時間: 未定（例年お祭りも一緒に開催される）
■費用: 無料
■会場: ラウンドウッドパーク
●バターシーパーク（Roundwood Park)
■開催時間: 18:00開場（20:00までに入場）、20:10から花火打ち上げ
■費用: 大人は£6.5-£10、10歳以下は無料、チケットは事前購入必須⇒公式ウェブサイト
■会場: バターシーパーク
