海外転勤や留学、移住などの際に手間取ることの一つが住居探しだ。日本であれば大手ポータルサイトに欲しい情報のほとんどが掲載されており、内見手前までは全てネットで完結する。
一方、海外で住宅を賃貸するとなると話は変わって、そもそも日本語での情報が少ない。日本人向けに日本語で住宅情報を掲載している不動産会社もあるが、対応している都市は少なく、情報量も豊富とは言えないケースがある。
実際に海外で不動産を賃貸した経験を持つ日本人現地在住者が、その方法と気を付けるべきことを伝授する。今回は第二回のドイツ編。
住居競争の激しい中でも希望条件を載せてじっくり厳選!
(現地在住ライター KANAKO K)筆者の住んでいるベルリンを例にドイツの不動産賃貸事情を説明する。
ベルリンで住宅の賃貸するなら、もっとも多いのがWG(Wohngemeinschaft)と言われるシェアハウスや一人住まいなどである。ドイツの住宅情報サイトも日本と同様、内見までの手続きはインターネット上で容易に済ますことができる。ただ日本では馴染みがないのはシェアハウススタイルが比較的安価で借りることができ、単身者の多い都市では最もポピュラーだということかもしれない。
ベルリンにある建物にはアルトバウとノイバウと呼ばれるものがある。これは約築60年から100年前の建物をアルトバウ(古い建物)と呼び、それよりも年数が若いものをノイバウ(新しい建物)と呼んでいる。ドイツではアルトバウには建築的魅力と価値があるものと評価され人気も高い。もちろん住宅情報サイトでも部屋の選択条件カテゴリーの中に含まれる程、注目されているポイントだ。個人的にはひょっとしたら日本でいう、トイレと浴室がセパレートかどうか気になる程度の度合いに近いと感じる。
年々住宅競争の激しくなるベルリンでは、予算内で新たな住まいを見つけるのは至難の業と言ってもいい。地道にネットで検索していても、やっとの思いで見つけた物件が詐欺による広告で騙されることも少なくない。ならば、希望条件を明記してこちらが広告を載せ貸し手からのコンタクトを待つのも一つの手だ。
苦労して探し出すよりも、貸し手の提示する部屋や条件を厳選する方が詐欺にあうリスクも減り、また貸し手が自らコンタクトしてくるので成立するまでスムーズにいくことが多いのだ。
ただアルトバウで気を付けたいのは建物が古いだけあって、構造材の腐敗や病気がよくみられる。修繕等の状況も確認することを忘れてならないだろう。