海外旅行中に重度のケガや病気になってしまった場合に困るのが病院だ。海外旅行保険に入っている人ばかりではないし、加入していたとしても、冊子に書いてあるような日本語が通じる病院にすぐいけるケースばかりではない。
フランスで病気になった場合の受診方法から治療費を払うまでの一連の流れや、フランスの病院事情について、現地在住ライターがリポートする。
目次
予約必須。最初から設備の整った病院へ行くのがベター
(現地在住ライター 竹内真里)病院の探し方
フランスで旅行中に病気になったら、パリやその近郊に滞在中の場合、アメリカンホスピタルに行くのがてっとり早い。外国人患者の応対や海外旅行保険の扱いにも慣れているし、なにより日本人医師と通訳がいるので言葉の面でも安心だ。
他にパリ市内には日本語の通じる医師がいる(在フランス日本大使館のページを参照)。
それ以外の地方でも保険に加入している場合は指定の病院があるだろうし、万が一未加入の場合ならとりあえず大きめの病院に連絡し、症状を説明し、診療費について問い合わせてみる。ホテル滞在ならばフロントに紹介してもらえるはずだ。(自力で病院に行けないほどひどい場合は24時間往診に来てくれるSOS MEDICINESがある。電話番号は3624。救急車は15)
受診方法
日本とフランスで大きく異なる点は、町のあちらこちらにある一般開業医でも受診は予約制ということ。具合が悪いからすぐにでも駆け込んで診てもらいたいのに、実際予約が取れるのは数日後なんてことはよくある。
多くの一般開業医はたいていアパルトマンの一室で患者の診察、会計、電話応対などをひとりでこなしている。昔、旅行者としてフランス滞在中に体調を崩し、海外旅行保険会社から近くの専門医に予約を入れてもらった経験があるが、いざ受診すると「あなたの保険会社から何回も電話がかかってきて仕事にならない、大迷惑だわ!」と憤慨された経験がある。こうした医者はやはり現地人向けで、旅行者への対応は慣れていないように個人的には感じる。医者だからきっと英語ができるかと思うとそうでもない。
治療費の支払い方法
フランス語の意思疎通ができれば予約を入れ、受診することはもちろん可能だ。その場合は診察後に診察代を支払い、処方箋と領収証をもらい、処方箋を近くの薬局に持参して薬をもらう。払い戻しに必要な領収証や診断書などは忘れずにもらっておこう。
もし何か検査をしなければならない場合、血液検査はラボラトリー、超音波検査やレントゲン検査などはそれができる設備の整った別の医療機関に行くように言われる。そしてそこでまたかかった検査費用を支払う。
具合が悪いのにあちこちへの移動は避けたい。なので、こうした理由からも最初から設備の整った救急外来のある病院に行くことをオススメする。
また、保険会社からはキャッシュレスで受診可能と聞いていても、医師や病院によってはその場で一旦全額支払うケースがある。現金、クレジットカード、小切手など医者や病院によっては支払い方法も異なるので、予約をする際に確認しておこう。