結婚は文化の違う二つの家族が混ざり合う大イベントだ。同じ日本人同士ですら、食生活から金銭感覚、宗教観等など至るところで差異が生じる。これが国際結婚ともなれば、その差異は遥かに大きい。文化的に近いアジア人との結婚や、近年は珍しくなくなった欧米人との結婚でもハードルが高いが、これがアフリカ人のような、ほとんど日本で情報を得る機会のない国の人間との結婚ともなれば、なお乗り越えなくてはならない文化的な差異は大きくなる。そんな数々のハードルを乗り越え、アフリカのコートジボワール人と結婚して現地に住むライターが、自身の結婚体験をリポートする。
手厚い歓迎の裏は!?
(現地在住ライター Sanogo Miyu)コートジボワールに限らずアフリカ諸国では部族間の結婚における伝統的な結納が行われる事が多いのだが、嫁が外国人となるとそのような儀式を求める家庭は少ないので気軽に挨拶に行けばよい。外国人の嫁は手厚く歓迎されるであろう。私が初めて夫の実家を訪れた時はまだ小さい甥が肌の色の違う外国人の私を見て大泣きをした事を思い出す。
日本からのお土産は何でも喜ばれるのだが、文化や価値観の違いが大きいのでこちらが喜ばれるだろうと思って選んだ高価な品物を持参してもイメージしていたリアクションと違いガッカリする事も多々。特に食べ物などは口に合わない事が多いので避けた方が良い。事実婚の多いコートジボワールでは入籍や結婚式は西洋の文化と考える人も少なくないので、あまり拘る事もない。それよりも結婚後の親族との付き合い方が重要である。
途上国出身の夫を持つ嫁ならば殆んどの人が経験するのは親族からの様々な援助の要求。我々日本人からすると言い方は悪いがタカリである。外国人の嫁=金持ちだという固定観念があるのでよくわからない遠縁までもが援助を要求してくる。アフリカでは経済的に余裕のある家庭が親族の面倒を見る習慣があるので、知らぬ間に夫の親族が居候する事もよくある話だ。もちろんそれらの事を受け入れられれば構わないのだが、私の知る限りのアフリカ在住妻達は夫の親族とは一線を引いて生活している。各部屋はもちろんクローゼットや冷蔵庫にまで鍵をかけるアフリカ、親族と一緒に暮らす、または頻繁に自宅に招く事がどれだけ大変かはその点からも察して頂けるはずである。
アフリカに嫁ぐ事は親族との付き合い方も踏まえ相当な覚悟を要する。コートジボワールに住む場合は夫がコートジボワール人であってもビザ、もしくは在住外国人許可証が必要である。日常でこれらの提示を求められる事は少ないが外国人はパスポート(コピー不可)の携帯を義務付けられているので外出時は忘れずに持ち歩くべきである。
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