韓国人には美女が多いというイメージがある一方で、韓国は整形大国であるという噂も尽きない。実際、韓国のある製薬会社の調査によると、美容整形を受けたことがあると回答した韓国人女性の割合は42%にものぼり、近年では男性の整形も増えていると言われる。韓国国内では整形がどのように捉えられ、実際一般的なのか、韓国の二大都市であるソウルと釜山在住ライターがリポートする。
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整形は人並の生活を追い求める手段
(現地在住ライター キム・ヒョンジ)韓国人には美人が多いと思っている人が居たら、それは、大きな間違いだ。韓国人も人間なので、様々な顔や姿をした人間が居るのだ。
そもそも韓国は儒教の教えが根強い国だ。社会を重んじ、個を主張してはいけない。すなわち全て横並びの総中流社会が良いとされているのだ。皮肉にもこのことが、親からもらった身体に自ら傷をつけてはいけないという儒教精神もまた根付いていたはずの韓国を変えてしまった。女性が、中流の人生を手にする為の手段として、美容整形が頻繁に行われるようになったのだ。
まずは、良い会社に就職するには、容姿が人並みで有る事が必要だ。これは、韓国社会が、女性に能力を求めず、男性社員の補助程度にしか考えていないからだ。そして、少しでも良い家へ嫁ぐ為にも、人並みの容姿が必要だ。この、人並みの容姿すなわち画一化された美を求めて競争してしまった結果が美容整形なのだ。この背景にあるのは、未だに根強い男尊女卑の考えと、韓国人女性の負けず嫌いの強い性格だろう。女性が、人並みの幸せを掴む為には、儒教の教えに逆らって、親からもらった身体にメスを入れても致し方ないのだ。
日本よりは一般的、しかし地域によって認識の差あり
(現地在住ライター キム・ハナ)
韓国では、整形する人が多い言われているが、実際そうだ。街には整形外科の広告で溢れているし、目が腫れている人や鼻を固定したままの人などもたまに見る。筆者はこの1週間で3人ほど見た。
韓国では整形=悪いという認識はほぼなく、よりキレイになれるならしてもいい、するべきだと考える人が日本よりは確実に多い。なので、整形したことを無理に隠そうとはしない。整形前から付き合いのある人なら、整形したことは顔を見れば確実に分かるので、「なんか変わったね?」、「目いじったよ!」などと普通に会話する人がほとんどだ。もちろん、それほど打ち解けていない間柄ではそんな話をわざわざすることはない。
ここで矛盾を話すようだが日本人が想像しているよりは、整形している人と知り合ったりすることは実感として多くはない。確かに街ではたまに整形した人を見るには見るのだが、実際周辺にはほとんどいない。整形をしたことを隠しているというわけでもなさそうだ。これは釜山という地域的な差も理由のひとつだと思う。首都ソウルでは整形はもっと広く浸透しているイメージだ。結局は周りの環境というものに影響を受けている部分も大きいのだろう。