冬の季節は風邪が大流行する。市販薬を服用する、病院に行くといった基本的な風邪対策の他に、緑茶でうがいする、葛根湯を飲む、ネギを首に巻くといったような、日本独自の風邪予防・治し方がある。
海外にもこのような独自の風邪予防方法・直し方はあるのか、海外在住ライターがリポートする。
※本記事は世界の民間療法の紹介が目的であり、風邪の治療方法としてお勧めするものではありません
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【ブラジル】冷たいシャワー
(現地在住ライター 増成かおり)風邪で熱が出てもブラジルの人々はシャワーを浴びる。彼らはシャワーが好きだし、さっぱりしてからの方がよく眠れるというのには納得できるが、この時浴びるのは水シャワーだ。冷たい水のシャワーは熱を下げるが温水にはその効果はないという。そう言われればそういう気もする。しかし冷たい水ではかえって寒気がしそうで、私にはとてもその効果を確かめる勇気はない。
そんな彼らも口にするものには気を使っている。この国では少しくらいの風邪なら普段通りの食事をし、具合が悪くなってくると小さく切った野菜と鶏肉と米を煮込んだカンジャというスープを飲む。そして風邪で荒れた喉に良くないからと、冷たいものは口にしない。日本では風邪で食欲がない時には冷たいジュースやゼリーやプリンなどを食べると言うと、とんでもないことだと驚かれた。私には冷たいシャワーの方がとんでもないのだが。
海外生活は体力勝負。風邪もうっかりひいていられない。
【韓国】首を温め、お茶を飲む
(現地在住ライター キム・ヒョンジ)
韓国の冬は寒く、ソウルでも-10℃を下回るのは珍しくない。そんな極寒の韓国の風邪予防に先ず挙がるのが、首を温かくすることだ。ドラマ等でよく見ると思うが、韓国ではタートルネックのセーターを良く着る。マフラーやスカーフを着用して、首を冷やさないようにしている人も多い。
また、韓国は漢方薬を好む人が多いので、風邪予防にお茶類を好んで飲んでいる。この季節、八百屋の店先に並ぶ柚子や花梨、新生姜を砂糖や蜂蜜で漬け込んで柚子茶や花梨茶、生姜茶にして飲む。勿論、スパーに行けば出来上がっている物が売られているし、乾燥させてある物も売られている。柚子や花梨、生姜の効能は日本と同じに考えられている。食事では、夏場の滋養食サムゲタンが風邪予防に良いと言われている。
【イギリス】昔ながらの迷信にこだわる人も
(現地在住ライター バックリー佳菜子)日本では風邪と一言で言われる症状であるが、イギリスではColdとFluと二つに分けて考えられている。一般的にColdは日本でいう一般的な風邪でFluは熱を伴うなど重い症状の風邪のことである。この二つに分けて、風邪の治し方として昔からFeed cold, Starve flu(軽い風邪の時には食べ、重い風邪の時は断食して治す)というようなことが言われている。研究の結果これは間違いであると分かってきているものの、未だに昔ながらの民間療法としてこだわっているイギリス人もいるようである。
そんなイギリスでは、風邪というとチキンスープと何も塗らないトーストを食べるという人が多い。チキンスープは体を温め食欲がなくても食べやすいからであるようだ。また逆にショウガやニンニク、唐辛子がたっぷり入った辛めのインドカレーを食べて無理やり発汗を促して風邪を治すというような荒めの治療法を試す人も多いようだ。