バンドグループ「ゲスの極み乙女。」のボーカルと不倫をして半年以上もテレビ復帰をできないでいるベッキーや、夫との離婚協議中である高島礼子が連日報道を賑わせているように、日本では浮気や離婚が重大な倫理違反として捉えらる。芸能人だけでなく、一般人においても、離婚をする度に社会的に「バツ」が付けられるわけだが、他の国でもこれほど浮気・離婚に厳しいのだろうか。同じアジアでありながら社会風土の異なる中国と、アムール(愛)の国フランスの現地在住HowTravelライターが、現地での浮気・離婚事情についてレポートする。
目次
【フランス】形式にとらわれず、自分の気持ちを最優先
(現地在住ライター 竹内真里)一般人はもとより、国のトップの歴代大統領も不倫するフランス。浮気、不倫、離婚はまったく珍しいことではなく、有名人のゴシップ記事が出ることはあっても、当人がわざわざ会見を開いて「この度はお騒がせし申し訳ございません」などと頭を下げることはない。
そんなことよりフランス人は自分自身の人生に集中していて、他人の色恋沙汰などかまっていられない。身近な人間でなければなおさらだ。
そもそも「結婚」という制度のほかに、「PACS(パックス)事実婚」、「同棲」など法的に認められているカップルの形式がある。愛する人と共に生活するのにどの形を取るかは個人の自由だ。「結婚」をしないカップルも多いゆえ、婚外子も多い。それぞれの連れ子を伴って新しい家庭を築くステップファミリーなど、多種多様な家族の形がある。
筆者の狭い周囲だけでも浮気・離婚経験者が非常に多い。別れを決める上で、子どもがまだ小さいから、などと自分の気持ち以外に軸を置かないようだ。知人のフランス人ママは子どもが2歳の時に夫婦お互いのダブル不倫が原因で離婚。子どもは前夫との間を行ったり来たりし、学校の送迎や世話などを祖父母に協力してもらっている。長期休暇中は子どもを預け恋愛中の彼氏と旅行にも出る。日本人的感覚からすると驚きだが「愛がないのに一緒に居ることはできない」。自分に嘘はつかないのがフランス流だ。
【中国】寛容ではないにせよ日本とは異なる浮気への見方
(現地在住ライター 高橋亮)
中国ではインターネットの普及などと共に浮気をする人が増え中国ではインターネットの普及などと共に浮気をする人が増え続けている。身近な中国の友人や同僚のなかでも浮気をしていたり、過去にしたことがあるという人は少なくない。
では中国人は浮気に寛容かというと全くそうではないのが興味深い点である。中国人は日本人に比べると感情を表に出しやすいという傾向があるが、浮気に関してもまさに感情的に行動するのが一般的である。筆者も実際に遭遇したことがあるが、浮気を見つけた場合にはまず感情的に罵倒したり、手を上げるというのが一般的な反応である。
しかし芸能界においては、浮気に関しては寛容というわけではないにせよ、日本ほど厳しくないというのも事実である。中国でも有名俳優などが浮気をしたことなどがニュースになることもあるものの、日本ほど騒ぎ立てられることもなく、そのことで仕事ができなくなるということもまず稀であろう。浮気自体については悪いことと認識されているものの、芸能人や経営者などの富裕層などが浮気をするというのは、ある意味でステータスとみなされている部分もあるのが事実である。
また、中国の政府統計によると10年前から比べると離婚率が2倍以上に増えていることがわかっており、今後さらに離婚が増えていくものと見られている。