海外旅行をする上で避けては通れないのが空港での滞在だ。国際線の利用ともなれば、遅くとも飛行機離陸時間の2時間前には空港にいたいところだが、スムーズにいけば手続きには1時間もかからないため、手持無沙汰な時間の発生が避けられない。また、乗継便を利用する場合は、空港にもよるが乗り継ぎ時間として1時間前後の余裕は見ておきたい。飛行機の離陸が遅れたり、深夜便で空港に到着した場合等は、もっと長い時間を空港で過ごすことになる。ショップやレストランが整っており、サービスも良い空港であれば時間が過ぎるのはあっという間だが、いるだけで疲れてしまうような空港もある。

そこで、イギリスの空港サービス調査会社であるSKYTRAXが発表した2016年空港トップ10をご紹介する。この調査は2015年の6月から2016年の2月に渡り、チェックインや入国審査の対応やショップ設備等の様々な質問を世界1325万人の空港利用者に回答して貰い、ユーザー満足度が高く、評判の良い空港をランキング化したものだ。このランキング上位の空港でなら快適に過ごせるだろう。

なお、空港での滞在時間をより上質なものにしたいのであれば、各空港のあるラウンジの利用がお勧めで、基本的にはどのラウンジでもWi-Fi、軽食、ドリンクが提供され、椅子もゆったりしている。豪華なラウンジであれば、本格的なビュッフェ、シャワー、マッサージ、ベッドスペースなどもある。ラウンジ利用にはビジネスクラス以上の航空券や、プライオリティ・パスと呼ばれる会員カードが必要だ。より詳しく知りたい方は、以下の記事でお得にラウンジが利用できる方法を紹介しているのでご覧頂きたい。

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10位 ハマド国際空港(Doha Hamad Airport)

best-airport02(Philip Lange / Shutterstock.com)

ハマド国際空港は一般旅客の運航開始が2014年の4月からと、非常に新しい空港だ。産油国カタールのフラッグシップキャリアであるカタール航空のハブ空港として利用されているこのハマド国際空港は総工費約1.8兆円をかけて建設された、40を超す搭乗ゲートを持つ巨大空港だ。ショップやレストランが充実しているだけでなく、無料インターネットスペースを初め、横になって眠れるクワイエットスペースやテレビスペース等もあり、時間を潰すにはうってつけの施設が揃っている。日本からは東京成田と羽田からカタール航空が乗り入れしており、ヨーロッパに向かう際の乗り継ぎ空港としても利用される。

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9位 関西国際空港(Kansai Intl Airport)

関西国際空港の到着ゲート(Korkusung / Shutterstock.com)
9位にランクインしたのは日本の関西国際空港だ。関西国際空港は大阪湾上5キロメートルの人工島に建設された空港で、伊丹空港と神戸空港を合わせた関西三空港の中では唯一24時間運用可能な空港だ。日本からの出国者数では羽田空港を抑え、成田空港に次ぐ日本2位にランクインしており、日本からの出国者の約20%が関西国際空港を利用している(2014年時点)。

免税店やラウンジ、レストラン等は一通り揃っているが、一押しは町家小路と呼ばれるフードコートで、関西エリアの有名店が一堂に会しており、関西から出る人にとっては地元の味を味わう最後のチャンスだ。関西出身の編集部スタッフはいつもここでぼてぢゅうのお好み焼きを楽しんでいる。

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8位 ロンドン・ヒースロー空港(London Heathrow)

混雑しているヒースロー空港(Milosz Maslanka / Shutterstock.com)
8位はヒースロー空港。言わずと知れたイギリスロンドン最大の空港で、2013年までは世界中の空港の中で国際線利用者数が最大だったという巨大空港だ。日本からはJAL、ANA、ブリティッシュ・エアウェイズ3社が直行便を就航させている。

ありとあらゆる設備が揃っている一方で、ターミナルが4つもあり(番号上はターミナル5まであるもののターミナルターミナル1は老朽化のため使われていない)、ターミナル間の移動が大変ということで、一部利用者からの不満も出ている。そのままロンドン観光をする利用者にとっては素晴らしい空港だが、乗り継ぎがある場合は要注意だ。この乗り継ぎがロンドン内の他空港(ガトウィック空港スタンステッド空港シティ空港ルートン空港)の場合は最悪で、次が国内線だとしても、最低4時間の乗り継ぎ時間は見ておいた方が良い。空港によってはそれでも足りない。編集部スタッフはヒースロー空港からルートン空港への乗り継ぎ時間で4時間15分余裕を持っていたにも関わらず、最後は走るはめになってしまったとのことだ。

ヒースロー空港についてはHowTravelサイト内で詳細に紹介している。
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7位 チューリヒ空港(Zurich Airport)

チューリヒ空港のカフェ(anshar / Shutterstock.com)
スイス最大の都市チューリヒから、チューリヒ空港が7位を獲得した。10位から8位までは大規模空港が続いたが、このチューリヒ空港の規模はさほど大きくなく、2014年の総旅客数はヨーロッパ全体でも16番目だ。規模は小さいもののショップやレストランも揃っており、何より、他の空港に比べてゆったりしている。空港によっては離発着時に席の取り合いが発生することもあるが、このチューリッヒ空港ではその心配は少ない。

スイス名物でもあるチョコレートを扱う店舗が入っているのも嬉しい。スイスに住んでいた編集部スタッフは、この空港でスイスの有名チョコレートであるトブラローネを大量買いしていたとのこと。ちなみにトブラローネは世界中の空港で買えるが、せっかくなのでスイスで買ったという箔が欲しい。

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6位 中部国際空港(Centrair Airport)

中部国際空港のちょうちん横丁(TungCheung / Shutterstock.com)
驚くべきことに、またもや日本の空港がトップ10にランクインした。セントレアでお馴染みのこの中部国際空港は2005年に開港した比較的新しい空港で、他の日本の主要空港と比べると、市内からのアクセスが抜群によく、名古屋から30分で訪れることができる。また、下呂温泉や伊勢神宮を訪れる際にも利用されることから、外国人観光客も数多く訪れる。

中部国際空港の一押しはちょうちん横丁と呼ばれる飲食・食料品エリアだ。レトロな雰囲気に統一されたこのエリアには地元の有名店が軒を連ねている。
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5位 香港国際空港(Hong Kong Intl Airport)


香港国際空港の内部(Thitisan / Shutterstock.com)
この香港国際空港は世界で10番目に忙しい大空港だ(2014年時点)。羽田空港や成田空港、関西国際空港をはじめ、日本各地の空港との直行便も就航している。この空港からはマカオへのフェリーも出ており、香港とマカオを訪れる両方の人が利用する。香港で入国手続きをする必要がないので手間がひとつ省け、約70分でマカオに到着できる。空港からの乗船手続きは出航1時間前まで。マカオだけではなく、珠海、中山、東莞、深圳、広州の港にもアクセスできる。

香港でのブランド品と言えば時計が有名だが、香港国際空港内の時計売り場はかなり充実している。市内よりもこの空港内で買った方が安いという場合もある。編集部スタッフが香港国際空港で時計を買った際は、日本で10万円のものが空港では額面8万円となっており、そこからさらに6万円に値切って購入できたとのこと(2010年時点)。

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4位 羽田空港(Tokyo Intl Haneda)

羽田空港の江戸小路(Sean K / Shutterstock.com)
なんと世界の満足度が高い空港トップ10に日本の空港から3つ目のランクインだ。羽田空港は東京都内からのアクセスも良く、世界中の空港利用者からの評価が高い空港だ。東京には成田国際空港もあるため、羽田空港は国内線のイメージが強いかもしれないが、国際線ターミナルもあり、世界中の空港と繋がっている。和食、中華、洋食とレストランも充実しており、お土産も多いため、空港利用者としては非常に嬉しい。
江戸の街並みを再現した、レストランエリアである江戸小路は外国人に大人気だ。最近では飛行機に乗らないにも関わらず羽田空港を訪れて、ご飯を楽しんだり、飛行機の離発着を鑑賞したりする人が増えている。

海外取材から深夜に帰国することが多い編集部が一つ不満を言わせて貰うと、柔らかいベンチを増やして欲しい(下の写真は木製の椅子で眠る編集部スタッフ)。
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羽田空港で雑魚寝するスタッフ

3位 ミュンヘン空港(Munich Airport)

ミュンヘン空港内のAirbräu(エアブロイ)(Allie_Caulfield)
いよいよトップ3だ。ドイツで2番目に大きい空港であるミュンヘン空港は空港自体がひとつの観光地と言っても良い程だ。冬にはクリスマスマーケットやスケートイベントを開催、夏には期間限定で特設ウェイブプールを設置してサーフィンもできるというのだから驚きだ。ミュンヘン空港の魅力のひとつに、カフェやレストランのバラエティの豊富さと、それぞれの店舗の質の高さが挙げられる。ビールやソーセージといったドイツの特産品はもちろん、世界中のグルメが揃う。予算や好みに応じて気になる店を覗いてみよう。

Airbräu(エアブロイ)というパブは世界で唯一空港内に自家醸造所を持っており、樽から注がれたできたてのドイツビールを味わう事ができる。自家醸造とあって価格もリーズナブルで、ソーセージや煮込み料理等のおつまみもおいしい。ドイツ国内の有名なビールも揃う。緑の多い開放的なビアガーデンも併設している。8:00から翌1:00まで毎日営業中。

ミュンヘン空港についてはHowTravelサイト内で詳細に紹介している。
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2位 仁川国際空港(Incheon Intl Airport)

仁川国際空港の伝統文化衣装で歩くスタッフ(diyben / Shutterstock.com)
韓国の仁川国際空港が2位であることに納得する人も多いのではないだろうか。というのも、仁川国際空港は日本の地方空港も含めた各空港と接続している巨大空港であり、日本のハブ空港かのように機能している。ヨーロッパやアジア諸国に旅行する際、仁川国際空港で乗り継ぎというのは定番の流れだ。ショップからレストランまで、何でも充実している。韓国留学経験のある編集部スタッフによると、免税店の店員はみな日本語が堪能とのことで、安心して買い物ができる。

滞在時間が長い場合にはお勧めなのが韓国文化体験とスパだ。韓国文化体験エリアは幾つかあるが、伝統舞踊を鑑賞したり、伝統工芸品を作ることができる。また、韓国伝統のチムジルバンを堪能できるSpa ON AIRでは、スチームサウナやお風呂の他に雑魚寝できるスペースがあり、乗り継ぎまでの滞在時間が長い場合でも全く苦にならない。

仁川国際空港についてはHowTravelサイト内で詳細に紹介している。
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1位 シンガポール・チャンギ国際空港(Singapore Changi)

シンガポール・チャンギ空港(Sorbis / Shutterstock.com)
堂々の1位に輝いたのはシンガポール・チャンギ国際空港で、2016年だけではなく2015年も満足度世界一に選ばれている。シンガポール・チャンギ空港は東南アジアのハブ空港とも言われ、シンガポール航空、ジェットスター・アジア航空、シンガポール航空カーゴ、タイガーエア、シルクエアー、スクート、バリューエア、Jett8航空が拠点として利用し、オーストラリアのカンタス航空が準拠点として利用している。日本からは 東京成田国際空港、羽田空港、関西国際空港、中部国際空港、福岡空港から直行便が出ている。

シンガポール・チャンギ空港のバタフライガーデン(Sorbis / Shutterstock.com)
巨大空港であるチャンギ空港では、ショッピングやレストランが充実していることはもちろん、エンターテインメント要素も兼ね備えている。無料で入場でき、24時間営業しているバタフライガーデンでは1000匹以上の蝶を見ることができ、大人も子供もおおはしゃぎだ。また、無料の映画館が2箇所もあり、長い空き時間も楽しんで過ごすことができる。無料で使えるマッサージ機や完全に横になって寝ることのできる柔らかい椅子もあり、乗り継ぎが多い空港ならではの配慮もされている。ショップ、レストラン、エンタメ、快適性のどれを取っても満足度1位には納得だ。

シンガポール・チャンギ国際空港についてはHowTravelサイト内で詳細に紹介している。
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まとめ

日本の空港から3空港もトップ10入りしていることに驚いた人も多いのではないだろうか。今回はご紹介できなかったが、実は11位に成田国際空港がランクインしており、日本の空港が世界で高評価を受けていることがわかる。トップ3の映画館はいずれもその国ならではのエンタメ性を兼ね備えており、いち空港好きとしては日本の空港にも日本文化を取り入れたエンタメ要素を取り入れてくれることを期待したい。

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