海外旅行をする際に非常に気になるのが、言語の問題だ。英語が通じる国であれば、身振り手振りと英単語を駆使して、最低限伝えたいことは伝えられるかもしれない。しかし、英語がほとんど通じない国ではどうやってコミュニケーションを取れば良いのだろうか。世界一の観光都市であるパリを有するフランスにもかかわらず、気位の高いフランス人は英語を理解しても話そうとしないと言われるが本当なのだろうか。フランスパリ現地在住ライターがリポートする。

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観光レベルの英語はOK、大事な事柄はフランス語必須

(現地在住ライター 竹内真里

フランスでは日本語は通じない。「さよなら」など挨拶言葉や人気のある柔道などの用語を知っている人はいるが、会話が成立するのは日本語習得者ぐらいだろう。

ヨーロッパ諸国の中でも英語習得レベルが低く、フランス人は英語を話さないと言われているが、そんなことはない。観光で訪れる分にはさほど不便を感じないのではないだろうか。外国人が多用するホテルや観光地のレストランなどでは英語が通じる。綴りが似ている単語もあるので、もし口語でわかってもらえなければ書くと理解してもらえる場合がある。現在はパリに住んでいるが、かつて10年以上前住んでいたマルセイユの住宅地の小さな郵便局では切手を買うにも手紙を出そうにも全く英語が通じなかったが、筆者が来ると「おーい、日本人が来たぞー!」と英語がわかる局員が対応してくれたこともあった。最近では郵便局やメトロの窓口付近に英語や他のヨーロッパの言語対応の機械が設置されているので、人とやりとりしなくても切手や切符を購入できる。

一方、外国人を多く相手にする場でもまったく英語を使えないのが役所関係だ。滞在許可証手続き先の役所での話。着席するよう言われているのだが、理解できずに立ったままでいる中国人夫婦に「座れって言ってんのよ!こんな簡単なことがわかんないの!!」と容赦なく怒鳴りつける担当者。旅行では行く機会はないと思うが、コミュニケーションにフランス語を使わないと相手にされないので、万が一こうした場に行く際にはフランス語をきちんと理解できる人やフランス人に同行してもらうのが最善だ。

意外に英語圏への留学者も多いフランス。理解度は日本人とそう変わらないと筆者は見ているが、違いは相手の話す英語が理解できなかった時、自分のリスニング能力に問題があってわからないと感じるのが日本人。相手の発音が下手だからわからないと感じるのがフランス人だとこれまでの経験からして思う。