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今年で3回目になるソウル市主催のキムジャン文化祭
(現地在住ライター キム・ヒョンジ)2013年12月、ユネスコ人類無形遺産にキムジャン文化が登録されたのを機に、2014年からソウル市主催で行われるようになったイベントがキムジャン文化祭だ。
まずは、キムジャン文化について簡単に説明する。キムジャンは長くて厳しい韓国の冬に備え、冬季の野菜不足を補うため、野菜を漬物にして保存した事が起源だ。その後は、晩秋から初冬にかけてコミュニティごとに集い、大量のキムチを漬けた。そして、恵まれない人々と分かち合い、厳しい冬を供に耐えて行く為に行われるようになったのがキムジャンだ。現在では、コミュニティは細分化され、各家単位となり、姑から嫁へとキムチ作りが伝承されるようになった。現在、キムジャンと言うと白菜キムチをさし、この時期に漬ける白菜キムチが一年で最も美味しいと言われているのだ。普通の家でも50株位を漬けるのは当たり前で、家族総出で行うイベントだ。また、毎年この季節になると、テレビニュースで各地ごとに、キムジャンに最適な日の予想も出るくらい国民的行事だ。
筆者も2015年のキムジャン文化祭に参加した。日本でキムチ屋を営む友人から、このイベントのキムチ作り教室に参加したいが、うまく予約出来ないと相談が有り、一緒に参加する事になったのだ。2015年のキムジャン文化祭は、11月6日金曜から11月8日日曜までの三日間、ソウル市庁前広場から光化門広場一帯で行われた。
11月6日には、ソウル市庁前広場で数千人が、そろいの真っ赤な三角巾とエプロンでキムジャンを行った。そして、キムジャンの趣旨通り、漬けたキムチは一人暮らしの老人等に配られたのだ。また、参加者にも少量だがキムチが配られた。このイベントには、事前予約と参加費20,000ウォンが必要だ(2015年時)。
友人が行きたいと言っていた、キムチ作り教室は参加費25,000ウォン(2015年時)で、通訳のボランティアも居る。講師は、有名な料理研究家カン・スヌイ氏だ。カン・スヌイ氏秘伝のレシピを教えて頂いた後、各自に塩漬けされた白菜と先生特製のヤンニョムが配られ、先生の指導のもとキムチを漬け込んでいく。勿論、自分で漬けたキムチは持ち帰る事が出来る。また、この他にも協賛の食品メーカーが自社製品の冷凍食品を土産にくれた。
会場の中には、取材のカメラや記者も沢山きており、インタビューを受けている人もいた。参加費を必要とするものは、事前に予約が必要だが、この他にも様々な講演や展示・売店・屋台が出る、それらを見て回るだけでも一興だ。
キムジャン文化祭の概要
(HowTravel編集部)
■開催日時: 11月4日金曜から11月6日日曜までの3日間
■Webページ・予約: http://seoulkimchifestival.com/index.do
韓国語のみ
■開催場所: ソウル市庁前広場から光化門広場一帯