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【海外の反応】次期アメリカ大統領にドナルド・トランプ氏の就任が決定

2016年末の大統領選を控え、共和党のトランプ候補と民主党のクリントン候補の舌戦が激化している。日本国内では、トランプ氏の失言や暴言、または彼を批判するセレブの声等が連日報道されており、在日米軍の費用負担増を日本に迫っていることもあって、評判は最悪だ。また、クリントン候補についても、従来からやや中国寄りと言われる民主党の代表であり、クリントン基金が中国政府と親密な企業から献金を受けていることが明るみになったこと等から、大統領になった暁には親中外交寄りになるのではとの懸念があり、「二人の最悪な大統領候補」と揶揄されている。ただ、二人の候補者と比べると日本国内ではあまり悪い噂を聞かないオバマ大統領が歴代下から三番目の低支持率である等、日本のアメリカ政治への見方がやや特殊な可能性もある。両候補者はアメリカ現地民にどのように見られているのか、HowTravel現地在住者がリポートする。

※この記事の内容は現地在住者自身の経験と知見に基づくものであり、HowTravelの主張を代弁するものではありません

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どちらにも投票したくない…ジレンマに陥る米国民

(現地在住ライター ミナミ・ヒューズ

現在私の周りの多くのアメリカ人は、来る大統領選に対し失望している。シアトルは群を抜くリベラルな都市で知られ、住民の多くは民主党院であるのだが、そのせいか私はトランプ氏を支持する人を見たことがない。たいていの人がトランプ候補が大統領になることを危惧している印象だ。トランプ派=頭が悪い、というイメージもあり、ここシアトルではトランプ支持を公言する人は少ない。だが、かといってクリントン候補を支持しているか、というとそうでもない。むしろ彼女を嫌いだという人は多い。

というのも、民主党予備選においてサンダース氏に票が入らないようクリントン候補側の不正を働いたのではと疑う人が多くいるのだ。バーニー・サンダース氏は若者を中心に人気を集めたが、惜しくもクリントン候補に敗れた。予備選では選挙の混乱で投票できなかった人が大勢存在し、その多くがサンダース派だったと言われ、抗議するものの認められることはなく結果的にクリントン氏が代表と決まった。また、多くのTV等の主要メディアがサンダース候補の隆盛を無視したため、インターネットやソーシャルメディアを使わない層の民主党支持者はサンダース氏には勝ち目がないと思い、クリントン氏に票が流れたという見方もある。それに加え献金問題や、発言を立場によって翻す「嘘つき」なイメージにより、サンダース氏の支持者の多くはクリントン候補を毛嫌いしている。トランプが大統領になるのは避けたいのだが、ヒラリーには投票したくない、と言う人は多い。板挟み状態なのだ。

FOXニュースの統計ではクリントン氏を好まないと答えた人の割合は55%で高く、トランプ氏を好まないと答えた人の割合はさらに高い63%だった。ちなみにサンダース氏はを好まないと答えた人は34%で、好むと答えた人の率は60%と高い。

一方、ここにきてオバマ大統領の支持率が急上している。先週の民主党全国大会後のメディア統計では支持率54%と、2期目の支持率平均が40%前半だったのに対し、急激な上昇だ。その理由についてビジネスインサイダーは「トランプ氏のキャンペーンスタイルと話し方と比べ、オバマ大統領がより大統領らしく見えるのでは」との専門家の意見を報じる。また、この支持率アップした現大統領のサポート表明はクリントン候補がサンダース氏の支持者を取り込むのに役立つだろうとメディアは見ている。

泥沼化する大統領選からこれからも目が離せないが、アメリカに住む市民としては不安が募るばかりだ。