「Fantome(ファントーム)」の、国内外のCD出荷・配信数が100万枚を突破するなど好評を得ている。99年のデビュー以降、全てのアルバムでミリオンを達成したことになる。また、新曲が全米iTunesで日本人アーティスト最高位となる2位にランクインし、日本を含む9ヶ国で1位獲得している。しかし、その背景には、この新曲が世界的人気を誇るゲームの主題歌として使われたという事情もある。

実際のところ、宇多田ヒカルはアメリカ国内でどれほど人気があるのだろうか。宇多田ヒカルのアメリカでの知名度や人気をアメリカ現地在住ライターがリポートする。

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日本人として快挙!知名度はこれからが勝負

(現地在住ライター 長谷川サツキ

宇多田ヒカルのアルバムと新曲が続けてアメリカのiTunesにランクインと聞いた時には驚いた。今まで数多くの実力派アーティストが全米デビューしてきたが、ランキングに食い込んだ日本人は残念ながらほとんどいない。アメリカ人に知られている日本人アーティストといえば「SUKIYAKI」を歌った坂本九くらいではないだろうか。

そんな中での宇多田ヒカルのランクインは特筆すべき快挙だ。しかし今回の件で彼女の名前がアメリカで有名になったのか、と聞かれると答えに困ってしまう。新曲はアメリカで大人気ゲームのテーマソングとして使われたため「この曲聞いたことある」という人はいる。ただ私は彼女の曲を有線で聞いたことはまだない。

アメリカでミュージックランキングといえば、音楽業界雑誌ビルボードが手掛ける総合チャートの「Billboard Hot 100」もしくは「Billboard 200」だ。残念ながら今回のアルバムも新曲もこのランキングには入っていない。ランクインしたのは比較的変動が激しいと言われるiTunesでの話なのだ。

とはいえ、宇多田ヒカルは2009年にBillboard 200 にて69位という記録を残している。今回のヒットをきっかけにアメリカでファンを増やし、Billboardに名を連ねる日も遠くないのかもしれない。