日本ではクレジットカードを使えない店が多々あるほどの現金社会で、大人ともなれば何万円も財布に入れて持ち歩くのが一般的だ。一方、海外では国によっては一切現金を持ち歩かないという国もある。日本人旅行者は海外旅行時も日本と同じ感覚で多量の現金を持ち歩く傾向があるが、危険はないのだろうか。海外現地在住ライターがリポートする。
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【フランス】カード・小切手での支払いが主流
(現地在住ライター 竹内真里)ひったくりなどが多いフランスでは安全上の観点から多額の現金を持ち歩かない。ユーロ紙幣は500ユーロまであるが、筆者の場合実際使ったことがあるのは50ユーロ札まで。それ以上大きい額の紙幣を出すと戸惑われることがあるので、こちらのATMで現金をおろす際は10ユーロや20ユーロ札をメインに選べる機能があるので利用すると良い。
こちらでは現金の代わりに「カルト・ブルー」での支払いが基本だ。この1枚に銀行のキャッシュカードとデビットカード、VISAなどのクレジットカード機能が備わっている。だいたいどこでも使用可能だが、たまにパン屋や小規模の食材店などでは15ユーロから可、など使用可能額を決めているところもある。また、フランス滞在中の旅行者がお世話になる機会は少ないかもしれないが、カード払いを受け付けていない開業医もいるので事前に聞いておくと良い。
もうひとつの支払い方法として小切手がある。レストランやスーパーでの会計時、誰かに立て替えてもらったお金を返すとき、子どもの給食費の支払いなど、さまざまな場面で少額でも使用可能だ。先日は習い事の会費350ユーロを支払う際、現金だと危ないという理由で小切手払いを指定された。
日本在住時は一万円札が財布に入っていると安心感があったものだが、こちらではその逆。万が一スリやひったくりに遭っても被害が少なくて済むように、普段現金はだいたい20ユーロぐらいと小銭を持ち歩いているが、それで十分だ。
【韓国】圧倒的にクレジットカード利用者数の人が多い
(現地在住ライター キムハナ)
韓国ではクレジットカードが多く使われている。むしろ現金払いの方が少なく、クレジットカードが圧倒的に多いと言っていいほどかもしれない。100円ほどの金額の小さな買い物でもカードは普通に利用されるし、当たり前の光景だ。
これほどまでにクレジットカードが使用されているのは、クレジットカードにつけられているいろいろな「恩恵」が魅力的だからである。その恩恵とはクレジットカードを使うことでポイントが貯められたり、一定額使うことでカード会社系列店なとで割引サービスを受けられたり、クレジットカード使用で年末調整所得控除が受けられることだ。現金でも「現金領収書」という制度を使えば控除は受けられるのだが、やはりカードが楽なのでカード支払いの人が多い。
もちろん、現金支払いが全くいないわけではないし、現金を使って不便を感じたこともほとんどない。旅行者は基本的に現金を持ち歩くと思うので、日本と同じ感覚でいて問題ない。
【インド】クレジットカードはスキミングに注意
(現地在住ライター アジュナン・ナオミ)インドでは日本以上に生活格差があるため、お金を使う場所にも差があると言える。現金とクレジットカードのどちらが主流かと言えば、どちらにもなってしまう。ただクレジットカードの審査は厳しいので、まだまだデビッドカードを持ち歩く人も多い。
ローカルのお店をメインに生活している人は現金を使うし、お店も現金のみしか使えない。お釣りがない場合は飴ちゃんでくれる。車を使いながら生活するような人たちはショッピングモールや大きなスーパーマーケットに車で行き買い物をし、クレジットカードで支払う。人数で言えば、まだ現金だろう。しかしカードローンなどが普通に普及し始めているので、今後クレジットカードを使用する層は確実に増えいく。
ただ、日本人駐在家族の中にはスキミングの被害にあったと言う人もいるので、旅行者がクレジットカードを使用するのであれば、カードからは目を離さずにいることをおすすめする。