韓国から日本に移住してきた人々、いわゆる「在日」は日本社会の中に深く根付いている。日本とブラジルのように、国同士の敵対感情がない場合と違い、日韓の双方への感情は複雑だ。そんな中、韓国からみて、在日韓国人はどう映っているのだろうか。「裏切者」というようなレッテルを張られることもあるのだろうか。韓国在住の韓国人ライターがリポートする。

日本で成功した在日韓国人や韓国系有名人の韓国における知名度は?

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兵役の義務を果たさなければ韓国人の男ではない

(現地在住ライター キム・ヒョンジ

在日韓国人の中で、有名人と言えば韓国ロッテグループ会長の重光昭夫、韓国名シン・ドンビンと兄重光宏之、韓国名シン・ドンジュの在日韓国人二世の兄弟だろう。2015年に起きた兄弟間の経営権争いは、韓国で大きく報道された。この騒動で韓国メディアからの質問された二人だが、兄の方は日本語で返答した為、「韓国籍で韓国人だと言っても日本人だ」、「韓国語を忘れた韓国人が韓国人なのか」と批判を受けた。弟の現韓国ロッテ会長は、たどたどしい韓国語で返答し、発音が悪く何を言っているのか聞き取りずらかったので、各テレビ局のニュース番組では、その返答に字幕を付けて放映していたほどだった。その為、二人とも韓国人とは言えないという報道をされていたのだ。

だが、現在の韓国ロッテ会長の韓国語の能力は向上し、しっかりと受け答えが出来るようになったので、今はそのような批判は無くなった。しかし、新たな問題が出て来たのだ。それは、彼が長らく二重国籍であり日本国籍を放棄したのが1996年であり、兵役の義務を果たしていないのだ。そして、彼の息子は100%日本人であり現在はアメリカの大学にいると報道された。韓国ロッテグループの後継者とされる息子は、兵役の義務は無いが100%韓国人では無いと言う事だ。
※在日韓国人は兵役の義務は無いが、韓国に居住する場合には義務が発生する

多くの韓国人は、在日韓国人に対して差別や偏見を持ってはいない。その昔、強制的に日本に連れて行かれた韓国人も居るし、自ら行った韓国人も居るのは分かっている。そして、彼ら在日一世の苦労も分かっている。しかし、二世以降の在日韓国人の多くは、韓国語も喋れず、兵役の義務も果たさないで韓国人とは言えないというのが一般的な意見なのだ。