目が見えない、耳が聞こえない、歩行に車いすが必要といったような身体に障がいを抱えていることが理由で海外旅行を諦めてしまう人もいるだろう。実際、障がい者に理解のない人が多い国や、バリアフリー化が全く進んでいない都市もある。この記事では、イギリスにおける身体障がい者への見方とバリアフリー化状況をイギリス現地在住者がリポートする。
目次
イギリス観光地のバリアフリー化状況
(現地在住ライター 竹内奈緒美)イギリスには毎年多くの観光客がやってくるが、その中には障がい者も多くいるだろう。そこでイギリスのバリアフリー化状況について、項目ごとにまとめてみた。
バス
イギリスのバスには乗車口近くに車椅子専用スペースが1台分備わっており、乗降の際には運転手が自ら大きなボードを乗車口に置いて乗車をサポートしてくれる。ただ既に車椅子の乗客がいた場合、安全上の理由から次のバスを待たなければならない。
※なお、イギリス(特にロンドン)の鉄道・地下鉄は古く、エスカレーターやエレベーターが整備されておらず、階段しかない駅が多い
トイレ
イギリスでは公衆トイレが基本的に有料だが、最近ではファストフード店やデパート等で無料で利用できるようになってきた。ただ1階にトイレが備わっていることは滅多にないため、車椅子利用者は客用エレベーターの有無や、車いす専用トイレがあるか確認したほうがよい。
スーパー
一部の大型店舗では、カスタマーサービスに申し出れば、車椅子と一体化する便利なショッピングカート(トロリー)や店内専用の車椅子を貸してもらえる。また最上段の陳列棚は高い位置にあるため、車椅子などで取れない時は、近くにいる店員や一般の買い物客に頼むと快く取ってくれる。
観光施設とその周囲
建物の入口や内部の移動にはスロープが用意されているが、場所によっては残念ながら車椅子では入場できないこともある。歴史的な建物などでは客用エレベーターが備わってない場合が多いため、施設内での車椅子の移動については受付で相談すると良いだろう。
最後に
多くのイギリス人は困っている人への手助けを惜しまない。手助けが必要な時は遠慮せず、周囲の人々にサポートをお願いして、イギリス旅行を存分に楽しんでほしい。