色白、茶髪、カラーコンタクト、鼻の整形等、白人を中心に形成されてきた美的感覚への憧れや、欧米で流行ったファッションや食べ物が日本で爆発的に人気が出るといったように、日本人の中には一定の欧米コンプレックス(特に白人に対する)が存在する。では、そんな憧れの的である欧米人は他の人種にコンプレックスを抱くようなことはないのだろうか。欧米の中でも特に自国への誇りが高そうな、自他共に認める世界最強の大国アメリカと、長らく世界の覇権を握ってきたイギリスの現地在住ライターがリポートする。
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他国へのコンプレックスはなし 自国大好きアメリカ人
(現地在住ライター 長谷川サツキ)単一民族国家の日本とは異なり、多種多様な人々が暮らすアメリカ。国内にいながら自分とは異なる文化や外見を持つ人種が常に側にいる環境なので、ないものねだりは多少なりとも付きまとう。ストレートヘアに憧れるアフリカ系アメリカ人、白い肌が嫌で日光浴を日課とする白人、低い身長に悩む日系人といった具合だ。英語しか話せないアメリカ人の中には、複数の言語が話せる移民系アメリカ人に対してコンプレックスを持つ人もいると聞く。
その一方で世界に目を向けると、アメリカ人は他の国や特定の人種に対しては特にコンプレックスを持ってはいないようだ。アメリカ建国までの背景や、GDP第1位の経済大国であること、愛国心が強いことなども一因であろう。アメリカ人は自分の国に誇りを持っている。そのため他の国や人種に比べて自分たちの方が劣っているという発想はまるでなく、コンプレックスを感じることもないようである。
イギリスも他の人種へのコンプレックスはない
(現地在住ライター バックリー佳菜子)
イギリスでは日本以上に様々な人種が暮らす国であり、特にこの特定の人種に対してコンプレックスがあるという印象は受けない。
しかしながら、イギリスに暮らす白人の中には、白い肌をコンプレックスに感じる人が比較的多いという印象がある。日焼けしていない真っ白い肌は不健康に見え、また日焼けした肌=バカンスに出かけて焼いてきた=経済的余裕 と考えられていた時代感覚が抜けきれず、日焼けサロンに通いわざわざ日焼けする人もいるほどである。またイギリスの短い夏には、あちこちの公園ですぐ水着になって寝転がっている人が増えるのも、この日焼けしていない肌コンプレックスと言えるだろう。美白が良しとされる日本とは真逆の感覚は、コンプレックスに近い感覚なのかもしれない。
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