一般社団法人中央調査社の2016年調査によると、好きなスポーツは何かという質問(複数回答)に対しての一位は野球で、回答者の42.8%が好きと答えている。二位のサッカーが26.2%ということを考えると、日本で最も人気のあるスポーツは野球で間違いなさそうだ。だが、野球は日本やアメリカ、韓国等、限られた国でしか人気がないというのは周知のことだ。では、他の国ではどんなスポーツが最も人気があるのか、海外現地在住ライターがリポートする。
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【アメリカ】アメリカの国民的スポーツと言えば
(現地在住ライター オスカー・ヨシナガ)(Beto Chagas / Shutterstock.com)アメリカでは様々なスポーツが盛んである。その中でも最も人気があるものと言えばもちろん、アメリカン・フットボール。通称アメフト。その名前の通り、アメリカで誕生したアメリカのスポーツだ。アメフトの人気は、有名歌手がゲームの前にライブをする開幕戦やゲームの途中で有名歌手がコンサートをする、スーパーボールと呼ばれる優勝決定戦を見ただけでも分かるというもの。そして、アメフトの試合がある日は人々が皆テレビの前でBBQをしながら試合を観戦する為、町中からは人々の姿が消え、スーパーからは食料品が根こそぎ無くなるという、嘘のようなホントの話だ。アメリカのスポーツチャンネルESPNはアメフトのシーズンが始まるや否や一日中アメフト関連のニュースを流し続ける。アメフトはアメリカ人にとって、なくてはならないスポーツなのである。
【イギリス】夏と冬で明確に分かれるスポーツ
(現地在住ライター バックリー佳菜子)(Rosli Othman / Shutterstock.com)
イングランドプレミアリーグがあるイギリスではやはりサッカー(イギリス英語ではフットボール)が一番人気がある。ヨーロッパではサッカーは常に政治と強く関連しており、フーリガンのような熱狂的なファンがたくさんいて問題を起こしていることも日本でも知られているかもしれない。
またイングランドが発祥の地であるラグビーも人気で、昨年のラグビーワールドカップはイングランドで開催され、筆者も日本対サモア戦を近所のスタジアムで観戦したが、スタジアム設立以来初の満員御礼、家族連れで賑わっており、フットボール以上に家族でも楽しめるスポーツという印象であった。
イギリスはサッカーもラグビーもシーズンは冬のスポーツであるが、夏にはクリケットを楽しむのが一般的だ。冬と夏で楽しむスポーツが変わるというのもイギリス式スポーツの楽しみ方と言えるかもしれない。
【コートジボワール】勝っても負けても選手は辛い
(現地在住ライター Sanogo Miyu)(AGIF / Shutterstock.com)コートジボワールは言わずと知れたサッカー大国である。ドログバを筆頭にヤヤ・トゥーレやジェルヴィーニョなどヨーロッパで活躍しているスター選手も多い。2015年のアフリカネイションズカップでは92年以降2回目の優勝を果たしている。翌日は祝日となり凱旋帰国した選手達のパレードで町中は熱気に包まれる。
国民一体が熱狂的なサッカーファンと言えるのだが、選手達にとってはちょっと違う。プライベートで町を移動すれば大勢の群衆に囲まれサインや写真を求められ…るのではなく、「金よこせ!」とタカられるのだ。筆者も遭遇した事があるのだが、国を背負って戦った選手達が些か気の毒になるほどだ。「優勝したから賞金が入ったんだろう?」と詰め寄るのだ。これは選手達だけではない。外国人である我々にも「お祝いだ!飲み物代くれ!」と言ってくる。優勝すればタカられ、負ければ家に火を点けられる。ヤヤ・トゥーレが催涙スプレーを携帯しているのも理解できる。