乗り降り自由!フィレンツェ"Hop-on Hop-off"観光バスチケット
観光地近くを巡回しているオープントップバスはヴェッキオ宮殿のアクセス良好、乗り降り自由でフィレンツェ散策に重宝する。見晴らしも良く、車内の日本語音声ガイドを聞きながら周遊すれば都市全体の土地勘も掴めておすすめ。住所
Piazza della Signoria, Firenze
S.M.N.駅から徒歩20分
ドゥオーモから徒歩10分弱
GALLERIA DEGLI UFFIZI停留所より徒歩2分
料金
大人は€10
18歳-25歳は€8
・塔と宮殿両方を見る場合
大人は€14
18歳-25歳は€12
※17歳以下は無料
営業時間
■宮殿
夏季(4/1-9/30)は9:00-23:00(木曜は-14:00)
冬季(10/1-3/31)は9:00-19:00(木曜は-14:00)
■塔
夏季(4/1-9/30)は9:00-21:00(木曜は-14:00)
冬季(10/1-3/31)10:00-17:00(木曜は-14:00)
※塔は雨天時閉館
休業日
年中無休
HP
http://museicivicifiorentini.comune.fi.it/palazzovecchio
フランス語、英語、スペイン語、イタリア語、ドイツ語
目次
シニョーリア広場にあるヴェッキオ宮殿は、宮殿と呼ぶにはあまりにも簡素な外観だ。荒い石が積み重なって出来た建物は大きく立派ではあるものの、一般的に想起される宮殿のような豪華さというものからは無縁であるように見える。しかし、700年間にわたり市の中心であり続ける宮殿には堂々たる威容があり、歴史に裏打ちされた凄みを感じることができるる。また宮殿とは名ばかりで、長年政治上重要な役割を果たしていたことからも、この建物が簡素な造りになっている理由が推察できる。
この宮殿は700年前に建てられたものであり、かつてフィレンツェ共和国の中央省庁が置かれた場所であった。驚くべきことに、この建物は現在もフィレンツェ市庁舎として利用されており、700年という長きに渡って市民にとっては身近なスポットであり続けている。
ヴェッキオ宮殿には500人広間という場所があり、ここでフィレンツェ共和国時代に市民大評議会が開催されたと言われている。この場所には壁一面、そして天井にまでも壁画が描かれており、ヴェッキオ宮殿を象徴する場所として有名である。壁画の作者はジョルジオ・ヴァルザーリであり、極彩色で華麗に描かれた絵は美しさはもちろん、迫力すら感じられるものになっている。
実はこの500人広間には、レオナルド・ダヴィンチの「アンギアーリの戦い」という絵が隠されていることが明らかになっている。2007年の調査で、ヴァルザーリの壁画の裏側にもうひとつの絵が隠されていることが発覚したのだ。実はヴァルザーリが壁画を描く以前、この場所でミケランジェロとレオナルド・ダヴィンチが壁画の制作を依頼されており、二人は実質的な絵画対決を行っている。ミケランジェロは多忙により頓挫、ダ・ヴィンチは新技法の失敗により放棄した為、この「アンギアーリの戦い」は幻の名画と呼ばれていた。
長らく空気に触れない状態であったことから保存状態も良好であると考えられているが、取り出すにはヴァルザーリの壁画を破壊しなければならないため、未だ日の目を見ることなく現在に至っている。
ヴァルザーリによる壁画以外にも、ヴェッキオ宮殿には多数の貴重な美術品が収蔵または展示されている。壁画と同じ500人広間には、壁際に多数の著名な彫刻(またはそれらのレプリカ)が飾られている。
数々の彫刻の中で特に有名なのがミケランジェロの「勝利」と呼ばれる彫刻であり、これはミケランジェロの代表作の一つでもある。この作品は、ミケランジェロの作風がマニエリスム(観念的)に移行してゆく最初の作品であり、ルネサンス期をリードしていたミケランジェロの写実的な初期の作品とは全く趣が異なっている。
館内には彫刻の他にも多数の絵画や、「地図の間」と呼ばれるルネサンス期に描かれた地図が展示された部屋、更にはコジモ1世が実際に使用していた部屋などが観覧可能である。ルネサンス期を象徴する煌びやかな作品の数々は、栄華を極めていたフィレンツェを偲ばせるものばかりである。
ヴェッキオ宮殿から突き出るようにして立っている塔は「アルノルフォの塔」と呼ばれており、有料で上ることが可能だ。地上95メートルの高さにあるアルノルフォの塔からは、まるで絵画のようなフィレンツェの街並みを一望することが出来る。
アルノルフォの塔はその昔、「祖国の父」コジモ・デ・メディチや、殉教者サヴォナローラが監禁されていたことでも有名である。そのため塔の内部は容易に脱出できないような作りになっており、また非常に殺風景で寒々しさすら感ずる。
しかし、窓外から眺める景色はまさに絶景であり、赤茶けた屋根の続くフィレンツェの街並みや、迫力のあるドゥオモ、それにアルノ川や晴れていれば遠くにそびえる山々までもを見通すことが出来る。アルノルフォの塔は夏季には夜も上ることができ、素晴らしい夜景を楽しめる。また夜にはヴェッキオ宮殿自体がライトアップされ、簡素だった建物が煌めいて見える。メディチやサヴォナローラが見た真っ暗な光景ではなく、温かい光に満ちた宮殿やフィレンツェの街並みは、見る者の心に深く刻み込まれることだろう。
ヴェッキオ宮殿では結婚式も執り行っている。式が行われるのは、「深紅の間」とも呼ばれるサラ・ロッサ。衛兵が花嫁をエスコートするフィレンツェの伝統的なスタイルで行われ、フィレンツェ市公認の婚姻証明書が発行される。由緒正しい宮殿で、夢の海外ウエディングを実現するのも魅力的。また、旅の途中で結婚式に立ち会う事もあるかもしれない。
ヴェッキオ宮殿にはコジモ1世の時代に作られた隠し通路が存在する。宮殿とウフィツィ美術館の間の細い道に小さな入り口があるので、見つけてみてほしい。隠し通路や隠し部屋、隠し扉を次々と通り抜ける限定ツアーも開催されているので、興味のある人は予約してみよう。宮殿内部は隠し部屋や隠し扉が多く、探検気分を味わえる。ダン・ブラウンの人気小説「インフェルノ」の重要な舞台もここヴェッキオ宮殿なので、あらかじめ通読しておくと一層楽しめる。
乗り降り自由!フィレンツェ"Hop-on Hop-off"観光バスチケット
観光地近くを巡回しているオープントップバスはヴェッキオ宮殿のアクセス良好、乗り降り自由でフィレンツェ散策に重宝する。見晴らしも良く、車内の日本語音声ガイドを聞きながら周遊すれば都市全体の土地勘も掴めておすすめ。ヴェッキオ宮殿はStazione di Santa Maria Novella(S.M.N)駅から1.2キロ程度の場所に位置し、市内を走る巡回バスが行き届いていることもあってアクセスの便は抜群だ。ドゥオーモからは南の方向に向かって約500メートルである。徒歩圏だが、歩くのが厳しい場合はタクシーを使うとよい。バス(ATAF)はC1 LINEのDIAZ方面のみ、最寄のGALLERIA DEGLI UFFIZI停留所に停まる。道すがらにウフィツィ美術館をはじめとした著名な観光スポットが多数存在しているので、気ままに回ってみても良いだろう。
S.M.N駅等のバスターミナルからC3番系統のバスに乗車し、GALLERIA DEGLI UFFIZI停留所下車。
・時間:15分から20分
・予算:90分間フリーライド券(チケット発行から90分間有効)€1.2
24時間フリーライド券(チケット発行から24時間有効)€5.0
・バス時刻:約15分間隔
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