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ボルドーの名物料理5選!お勧めグルメ旅

2017/10/10 更新

食卓を彩ることは人生を彩ることである、と南西フランスの人々は言う。理想的な土質と気候に恵まれ、最高級と称されるボルドーワイン。世界中の人々がこのワインを求めてやってくる。この土地はまた海、山、河川と多様な地形がバラエティ豊かな食材を育み、最高のワインに見合う最高の一皿を求める人々によって、料理も発展してきた。そんな食道楽のこの街で、人生の喜びを感じられる最高の一皿と一杯を探しに行こうではないか。

アントルコート・ア・ラ・ボルドレーズ(Entrecôte à la Bordelaise)

  • 牛肉の最高級の部分とされるアントルコートを、木炭ではなくブドウのつるで網焼きにしたステーキで、エシャロットと赤ワインのソースでいただくのがボルドー流。近郊で採れるセップ茸のソテーが添えられていれば文句なしだ。またボルドーのすぐ南にあるバザスは、高級牛肉の産地だ。バザス牛は脂身のほとんど入らないなめらかな肉質の赤身が特徴でノワゼットの香りを持つといわれる。せっかくだからレストランで最高級のアントルコートをいただいてみるのも良いし、ワインをメインに楽しむならビストロで気軽に一切れつまむのもまた魅力的だ。

  • カヌレ(Canelé)

  • カヌレはボルドー発祥のお菓子だ。卵、砂糖、粉、牛乳で作られるプリンのような生地にバニラとラム酒で風味がつけられ、その名の由来となったカヌレ型で外側が香ばしくカラメル化するまで焼かれる。なんともシンプルなお菓子だが世界中で愛されている。特に日本ではブームになったこともあり専門店なども存在する。ボルドーではカヌレを売っているお店はたくさんあるので、できれば街の人にどこのものが美味しいか教えてもらうのがいいだろう。

  • アルカションの牡蠣(Huîtres du Bassin d'Arcachon)

  • ボルドーから海へ向かって60キロメートル、アルカション湾は牡蠣の養殖が盛んだ。そもそもフランス人は牡蠣が大好きで、フランス中どこへ行ってもオイスターバーがあるのだが、やはり牡蠣は新鮮なものを産地で頂くのが格別だ。実はフランスで養殖されている牡蠣のほとんどは日本のマガキで、70年代にフランスの牡蠣が絶滅寸前になった時に、日本から輸入されたのだそうだ。とはいえその味わいは日本のそれとはまったく異なる。なぜなら牡蠣の味を決めるのは海水だからだ。アルカションの牡蠣はヨウ素分がよく感じられるのが特徴。よく冷えた白ワインと供に、レモンをグッと絞ってひとくちで頂こう。

  • マグレ・ド・カナール(Magret de Canard)

  • フランス南西部は鴨の名産地でもある。マグレ・ド・カナールは料理の名前ではなく鴨の胸肉を指す。この胸肉を、脂ののった皮を付けたまま外はカリッと、中心がジューシーにピンク色になるように焼き、ソースをかけて頂く。この焼き加減とソースが料理人の腕の見せどころだ。ソースのバリエーションは実に豊富で、オレンジ、カシス、洋梨などのフルーツや、ハチミツ、バルサミコ酢などが使われることもある。甘酸っぱいソースがまろやかでコクのある鴨肉に最高に合う。または燻製にしたものをサラダ風に仕立てて前菜に供されることもあり、これもまた美味だ。

  • コンフィ・ド・カナール(Confit de Canard)

  • 鴨料理を語る上で、鴨のコンフィは外せない。鴨肉を低温(70度前後)の鴨の脂の中でじっくりと、実に2時間かけて加熱した後、その脂とともに瓶などに詰めたもので、かつては保存食であった。脂漬けの鴨肉ときくと、こってりして胃にもたれそうだと思われるだろうが、以外にくちどけも良くさらりと頂ける。これは鴨肉の脂には不飽和脂肪酸が多く融点が低いためだ。しかもこの不飽和脂肪酸は血中コレステロール値を下げる働きもある。などどウンチクを聞かされなくとも、こんがりとグリルされたコンフィに、これまた鴨の脂でソテーされたジャガイモが添えられて目の前に運ばれてくればもう、こみ上げる食欲には敵わないだろう。

  • (Photo by BorgQueenhappy_serendipity DocteurCosmos Gugerell PROFrédérique Voisin-Demery Robyn Lee)