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蘇州の名物料理5選!お勧めグルメ旅

2017/10/10 更新

太湖と長江に挟まれた蘇州は、西洋のヴェネツィアともよばれ、川沿いに吊るされた灯篭は夜になると幻想的な光を灯す。その風景は現実を忘れさせてくれるような美しさである。そんな運河の町である蘇州は、淡水の魚介類が豊かにとれ、淡水魚や川エビなどを使った料理が名物だ。また、蘇州の料理は江蘇料理と呼ばれ、四川料理、広東料理、山東料理と共に、中国の「四大菜系」の1つだと言われている。江蘇料理は上海料理の原型になった料理とも言われ、素材の旨味を生かしたシンプルな味付けが特徴である。極端に辛い料理も少なく、日本人にも食べやすい味だ。

上海蟹(大閘蟹)

  • 蘇州でもっとも有名な料理だと言ってもいいのがこの上海蟹だろう。ちなみに、上海蟹という呼び名は日本人独特の呼び名であり、中国では大閘蟹(ダージャーシエ)と呼ばれている。何故なら上海蟹は上海ではなく、蘇州にある陽澄湖が原産であり、最も高級とされているからだ。専門の卸売店が少なくとも100軒以上連なる「蟹王市場」もここ蘇州にある。上海蟹は、味噌や卵がこれでもかと言うくらいギッシリ詰まっている。蟹身ではなくこちらがメインだと考えて良いだろう。ねっとりと舌に絡みつくような濃厚で甘みの強い味が特徴。味は言うまでもなく旨い。これは日本の蟹とは違う魅力である。ちなみに、メスが卵、オスが白子が入っているのだが、腹の部分が丸みを帯びている方がメスで、三角なのがオスだと覚えておこう。特に秋から冬場にかけてがシーズンだと言える。

  • 蘇州麺(蘇州麺)

  • 中国式ラーメンの蘇州麺は、中国で独自の発展を遂げ、日本のラーメンとは違った味わいを楽しめる。日本のラーメン同様、店によってトッピングやスープの拘りが違うのだが、日本よりも選択のバリエーションが多いのが特徴だ。まず、スープは醤油ベースのコクがある紅湯スープと、塩ベースのあっさりとした白湯スープから選べる。トッピングは豚肉や鴨肉、ウナギなど様々で、特に人気があるのは燜肉という分厚いチャーシューだ。基本的にラーメンとトッピングは別々の皿に盛られており、自分で後から乗せるスタイル。スープをたっぷりと絡めた細めの麺をすすると、ほのかにニンニクの香りが鼻を抜け、どこか懐かしい味わいだ。蘇州に来た際はぜひ食べたい逸品である。

  • 桂魚の甘酢あんかけ(松鼠桂魚)

  • 桂魚は日本ではあまり知られていないが、蘇州では大変メジャーな白身の川魚で、さっぱりとしたクセのない味だ。魚を揚げる前に細かな切込みを入れることで、写真のような独特の美しい姿に揚がる。その姿が松鼠(リス)に似ていることからこの名前が付いた。片栗粉をまぶしてカリッと揚げた身は香ばしく、少し甘めの甘酢餡がよく絡んで旨い。細かな切れ込みを入れた身は、広がってカラリと揚がり、香ばしさが増すと共に、甘酢餡もよくからむ。そのことから美しいだけではなく、とても理にかなった調理法であることが分かる。中国最古の歴史書である史記にも登場したと呼ばれる伝統料理でもある。

  • 丸鶏の塩釜焼(叫化鶏)

  • 昔、腹を空かせた物乞いが、鶏を一羽盗んだのは良いが調理方法が分からず、泥に包んで土に埋めて、そのままたき火をした。その後掘りかえして食べてみると、なんと、とても美味しい鶏の丸焼きができていた・・・というのがこの料理の原点だと言われており、別名「乞食鶏」とも呼ばれている。現在の調理方法は、綺麗に下処理をした丸鶏に紹興酒や塩で下味をつけ、中に豚挽き肉や野菜炒めなどを詰め、その後タケノコや蓮の葉で包み、黄土でくるんで焼くのが一般的である。塩に卵白を混ぜたもので包むこともある。鶏一羽分の旨味が全て包まれて調理されているのだから美味くないわけがなく、ジューシーな鶏肉を存分に味わうことができる料理である。

  • お焦げのエビあんかけ(蝦仁鍋巴)

  • "この料理は、昔夜遅くの来客に困った主人が、鍋の底に残っていたお焦げに味付けしたスープをかけて、もてなしたことが起源だと言われている。現在は揚げた白米に、ケチャップベースの甘辛い餡をかけるのが一般的だ。揚げたてのお焦げに、アツアツの餡がかかるとジュージューと美味しそうな音をたて、思わずヨダレが出てきてしまう。お焦げのパリパリの触感、甘酢餡を吸ってもちっとした触感、エビのプリっとした触感と、色々な触感を楽しめる料理でもある。
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  • (Photo by Tomoaki INABA Gary Stevens Charles Haynes Christopher)